剣道の礼法は「即反撃」のキーワードに基づいている

剣道の礼法

一般によく知られる剣道の教え「礼に始まり、礼に終わる」という言葉はよく耳にすると思います。

 

剣道では本当にあらゆる事で礼をします。

 

  • 道場(体育館等)の出入りの時
  • 稽古前後に目上の方や先生方に
  • また上座に向かっても稽古前後に
  • 稽古中相手に対して(基本打ちの技毎、相手が代わる毎に礼をする)
  • 試合でも相手に開始終了時

 

一度の稽古で何度礼をするのかと思うほど行います。

 

 

作法としては、
立ってする「立礼と、
座ってする「座礼があります。

 

 

立礼

背筋(せすじ)を真っ直ぐに伸ばして立ち、お辞儀のように首を曲げるのではなく、
背筋を伸ばしたまま腰をゆっくり曲げていく。

 

道場への出入りや、稽古相手、試合相手などへは、15°から30°程度、
腰を折るように礼をします。
上座や師範・先生方などの目上に対しては45°の深い礼をする。

 

 

座礼

こちらは、まず座り方から説明しないといけません。

 

正座

左足を後ろに引いて膝をつきます。
その際足の指は床につけた状態で、足の裏を立てている状態です。
同じように右足を後ろに引き膝をつきます。
立てている両足のかかとの上に、ゆっくりお尻を乗せます。
その際、左右の膝の間に、握り拳二つが並んで入る程度広げます。
立ててる足を伸ばし足の甲を床に這わせます。
この時、よく足同士を重ねる方がありますが、深く重ねず、親指だけ重ねる程度にします。
両手の指を揃えて膝の上、太ももの付け根に軽く乗せます。

 

これが正座になります。

 

立つときはこの動きを逆再生するように、右足から立てて行きます。
座るときは左から、立つときは右からになります。

 

これはかなり重要です。

 

理由は、どのような体勢の時に襲われても、すぐに刀を抜いて反撃できる態勢を維持しているからです。

 

刀は基本、体の左側に持っています。
左足を立てて右足が伏せている体勢では左側の刀をすばやく抜く事がしにくいからです。

 

このように「即反撃」がキーワードになりあらゆる動きが決まっているのでご注意を。

 

 

座礼の話に戻りますが、上記「正座」の体勢を作り、相手を見ながら両手一緒に膝の前でつく。
その際、両手の親指の指先同士と人差し指の指先同士をつけて三角形を作るように手を揃えます。

 

なるべく背筋を伸ばしたままゆっくりと腰を折って行き、
両肘を床につけて行くように体を伏せていく。

 

両手で作っている三角の中に顔(鼻)を入れるような気持ちで頭を下げて行く。
その際、頭と床が平行になるイメージで礼をする。

 

その姿勢で一拍置いて、逆再生のように戻していく。

 

 

私が小さい頃は、左手を先につき、右手を添えて三角形を作るように教えられましたが、
これも先ほどのキーワードが影響し、左手だけをついた瞬間に襲われると、
左の刀を取り遅れるとの理由で同時に行うようになったようです。

 

この「座礼」は稽古前後に生徒全員整列し、先生方や目上の方、及び上座に対して行う礼法です。

 

細かな動きが決まっており、なかなか堅苦しいですが、慣れれば無意識に出来るようになります。

 

なので、それほど重荷になるような事ではないのでご安心ください。

 

 

補足として

試合の際、コートの外側に立ち審判席に対して深い立礼をします。
この時、礼の前に審判席を見て、頭を下げた時に視線を切ります。

 

次にコート内に一歩踏み出し、相手に向かって浅い立礼をします。
この時は礼の前から礼が終わるまで相手から視線を離してはいけません。

 

これも先ほどのキーワードです。
相手を前にして視線を外すのは致命傷なのです。